OPクレジットカード会員さまを対象にしたイベント「小田急の整備工場へ行こう! 大野総合車両所見学会」が11月28日(土)に、相模大野の大野総合車両所にて開催されました。40組80名の募集に1,600名を超える会員さまからのご応募があり、見事ご当選された方たちが、普段見ることのできない整備風景を見学したり、ロマンスカー・MSEの運転席や洗浄中の車両の乗車体験をしたりして楽しみました。

大野総合車両所ってどんなところ?
1962年に、神奈川県相模原市に開設された、電車を分解して大掛かりな検査や修理などの作業を行うことのできる小田急では一番大きな施設です。約3万3千平方メートルの広い敷地内には、全般検査や重要部検査などを行う建物が点在し、現在、協力会社のスタッフも合わせ約300人が働いています。

ヘルメットをかぶって、いざ出発!

当日の朝、相模大野駅からも見える大野総合車両所へ。お子さまを連れたお父さんやご年配のご夫婦、ご友人と一緒の2人組など、年代も職業もさまざまな方が集まりましたが、共通するのは、皆さま、電車が大好きなこと! 
はじめて足を踏み入れた車両所に「ずいぶん、広いんですね」とキョロキョロする方も。車両所の上野所長のご挨拶、施設の概要説明の後、ヘルメットをかぶって、いざ出発です!

電車が宙に浮く!? 車体上げ作業に驚き

最初は、「車体上げ」作業を見学。「車体上げ」とは電車の台車部分から車体部分を切り離し、作業用の台車に乗せるため、クレーン2基で吊って移動させる作業のことです。車体の四隅に一人ずつが配置され、クレーンの操作者、指揮者を含めて計6人チームで作業を行うのですが、一歩間違えば事故につながるため、慎重に行なわなければなりません。なにしろ1車両、約30トンもあり、ミスは許されません。
今回は特別に、車両が別の車両の上を越える「オーバーヘッド」を見せてもらいました。通勤特急などで長距離を走るロマンスカー・EXEが、天井すれすれまで吊り上げられると「ワーッ!!」と大歓声が。

横に動く電車にびっくり!車体トラバーサ可動見学へ

車輪と切り離され、作業用の台車に乗せられた車体はこの後どうなるのでしょう? 実は、車の車検のように電車も数年ごと、走行距離ごとに定期検査を行うことが法律で定められているのです。
各作業工程へ車両を平行移動させるための車体トラバーサという装置を使って、電車が横に動いていく様子に驚く皆さま。普段のように電車が直進方向にしか動けない場合、作業スペースは細長く作らないとならなくなりますよね。
「ここでは電車を横に動かせるんですよ」というスタッフ。普段目にすることのない、横に移動する車両に思わず「わー!」と声が上がりました。

全然違う!? 2つの車輪を叩き比べ

列車が走行するとき、特に音が響くのはカーブを曲がるとき。小田急では沿線の環境面に配慮し、騒音の低減に取り組んでいますが、そのひとつがこの「防音車輪」。車輪の一番外側の部分に太さ10ミリくらいの金属リングが埋め込まれています。20年以上前から、従来型の車輪を防音車輪に変えていったそうです。
見学会では、実際に新旧2種類の車輪をハンマーで叩いてみて、響き方の違いを実感してもらいました。「キーンという高い音がこれで抑えられるのです。今では全車両に採用しています」とスタッフが解説すると、「見えない工夫があるんですね」との声が聞かれました。

最新型ロマンスカー・MSEの運転席に大興奮!

続いて、ロマンスカーのなかでも最新型であるMSEの運転台を見学しました。今も現役で走っているロマンスカーの運転台に運転士以外の人が入ることは、めったにない機会だそうです。「MSEのMはマルチのMです。JR御殿場線や東京メトロ千代田線の線路も走行できるマルチなロマンスカーなんですよ」と上野所長。
また、いつもは「はこね」や「ホームウェイ」など種別が表示されている行先表示器には「OPカード見学会」の文字が。歓迎モードに皆さま大喜び。タッチパネルが並ぶ最新の運転台に子供も大人も大興奮で、写真に収まっていました。

ちょっと懐かしい…アナログの運転席も体験

先ほど乗車した最新型ロマンスカー・MSEとの違いを実感してもらうため、昭和56年に就役し、現在も活躍しているロマンスカー・LSEの運転台も体験していただきました。タッチパネルが並ぶMSEとは違い、ずらりと並ぶメーターに「アナログっていいなあ」と喜ぶ大人も。
「当時としては最新式だったんですよ。ほら、ハンドルを見てください。従来はハンドルをぐるりと横方向に回す2ハンドルタイプですが、前後に動かすワンハンドルタイプは当時珍しかったのです」と上野所長。見学用に廃車になったLSEの本物の部品を使って運転席の模型を作ってあり、実際にハンドルを動かしたり、自由にボタンを押したりすることもできるので、参加者はすっかり運転士気分で「出発進行!」。

これは貴重! 洗われる電車へ乗車体験

ついにクライマックス! 最後はなんと、車両洗浄体験です。「ホースとモップで洗っているのかと思っていた」と驚く方が多かったのですが、実は敷地内の一番隅に洗車のための巨大な機械があるのです。なんと今回は、電車の外側が洗浄されるのを中に乗ったまま見ることができるという、スペシャルなメニューをご用意。2両に分かれて電車に乗り、車両が機械に近付くと、高さ4メートルの巨大な4つのブラシが回転して車両の汚れを落としていきます。
バサバサとブラシのこすれる大きな音や窓に水がかかる様子に、大騒ぎの車内。「大迫力ですね!」と誰もが大喜び。落とせなかった汚れや細かいところは、機械での洗浄後、人の手で丁寧に落としているそうです。

大充実の見学会終了!

みんなで記念撮影も

普段乗っている電車が、どのように点検・整備されているか知った皆さま。
「面白かった!」「またぜひ来たい!」と満面の笑み。車体上げの瞬間に撮影された集合写真はいい記念になりました!

上野義孝所長

上野 義孝所長

一年に数回親子見学会などを開催していますが、OPクレジットカードの会員さまを受け入れるのは初めて。「果たして人が集まるのかな?」と心配していたら、倍率41倍だったと聞いて大変驚きました。がぜん、準備に力が入りましたね! 
私たちは、普段お客さまと直接触れ合うことはない裏方の仕事ですが、これだけ関心を持っていただけたのは感激です。見学会の最後に、親子連れの方から、「うちの子が将来、小田急に入りたいそうです」とのお声を頂戴したのは、とても嬉しかったですね。今後も私たちは、皆さまに日々、安全・快適にご乗車いただくため、たゆまぬ努力を続けてまいります。

大浦洋介技術員

大浦 洋介技術員

これまで何回も見学会を開催してきましたが、今回ほど準備が大変な見学会はありませんでした。30トンもある車両をクレーンで吊って別の車両の上を通す「オーバーヘッド」をお見せしたり、現在実際に走っている最新型ロマンスカーへの乗車体験や乗車したままの車両洗浄体験をしたりすることは、見学会で初の試みでした。盛りだくさんのプログラムに、本当に時間通りに終わるかハラハラしましたが、皆さまのおかげでスムーズに終了することができました。お客さまが予想以上に喜んでくださったので、準備に費やした4ヶ月間の苦労が吹っ飛びました。

参加者のコメント

普段は入ることのできない工場を見学でき、鉄道が好きな息子はもちろん、私もとても楽しむことができました。案内役の社員の方にもとても親切に質問に答えていただき、ありがとうございました。期待以上の内容で、またこのような機会があったら応募したいと思います。

見るもの聞くもの全て珍しく思わず童心にかえってしまいました。普段、何気なく利用していた小田急線ですが、車体を見る目がかわりなんだか愛着も沸いてきました。ありがとうございました。