月1連載 バックナンバー
小田急沿線にある「音楽を感じる」スポットを、ギター片手に日本中を旅して回るウルフルケイスケさんが訪れます。バンドで上京して以来ずっと小田急沿線を愛するウルフルケイスケさんならではの発見と驚きに満ちた、まさに〝MAGICAL CHAIN〟な瞬間を一緒に体験しましょう!
ライター:谷岡正浩 カメラマン:星野洋介

音楽、演劇などカルチャーとしてはもちろん、

くからわいをせている下北沢

ケイスケさんもシモキタ馴染みのとして

もよくれるそう。

今回は、やらになる名前レコード屋さんがあるとかで・・・

邪魔しまーす!

世界中のグッド・ミュージックが集まる
もうひとつの〝下北沢駅〟
RECORD STATIONにようこそ!
やって来たのは、下北沢北口一番街商店街の一角にあるビルの2階。こぢんまりとはしているけれど、明るくて居心地のいい空間が広がります。迎えてくれたのは1980年にリリースされた、知る人ぞ知るファンク・バンドBreakwaterのセカンドアルバム。クールなカッティング・ギターとホーンの絡みが都会的なセンスを感じさせる1枚です。ここ、RECORD STATIONは下北沢に開店して2年半ほど。それまでは横浜でお店をやっていたということですが、どうして下北沢に? 店長の伊藤翼(いとう・たすく)さんにお話を伺いました。
「学生時代に下北沢に住んでいて、そこでレコード屋に入り浸ってDJを始めたり、という思い出の場所なんです。今ではサブカルの街として海外にも注目されていますし、どんどん変わっていく街のパワーも感じますね」。
そして、小田急のポイントカードとしては気になる〝STATION〟の名前は? 「横浜で最初にやっていた共同経営のお店の名前がわりと難しい感じのものだったので(笑)、独立して始めるにあたって、誰でも覚えられるものにしようと思ったんですよ。駅みたいに世界中のレコードが集まるお店にできたらいいですね」。
年4回海外に買い付けに行っては掘り出し物を見つけてくるのだとか。ケイスケさんも取材をしながらもずらっと並んだレコードが気になって仕方のない様子。レコード屋さんってワクワクしますよね!
尽きないレコード談義!
ウルフルズのバンド名にも
レコードが一役買っていた!?
レコードをチェックしながら「ブラック系が多いんですか?」とケイスケさん。
伊藤さん曰く、「お店のスタート時はブラック系ばかりで今も中心ではあるんですけど、日本の音楽のレコードなんかに最近は力を入れていますね」とのこと。というのも、2、3年前より世界的なムーブメントとなっている「シティ・ポップ・ブーム」の影響がやはり大きいのだそう。1970年代から80年代初頭に制作された日本のポップス――特に山下達郎や大貫妙子の作品に代表されるような都会的で洗練されたグルーヴのポップスがここ最近世界的に注目されている。伊藤さんが海外に買い付けに行った折などには、日本のシティ・ポップを持って来てくれよ、とお願いされることもあるそうだ。
そんな最新の音楽事情から話はレコードそのものの魅力へと移り、ウルフルズのバンド名にまつわる秘話へ。「ウルフルズを組んだ頃、バンド名をどうしようかという話になって、たまたま僕の家にあったKC&ザ・サンシャイン・バンドのLPの帯に載っている紹介文に〝〜ソウルフル〟って書いてあったんですよ。それが〝ソ〟で改行されて、次の行の頭が〝ウルフル〟で始まってたんです。それをトータス松本と発見して、面白いなって盛り上がって付けたのがウルフルズ」。
へー! なんて驚きながら、まだまだレコード談義は止まりません。
敷居は低く、志は高く
誰からも愛される
カジュアルなレコード店を目指して
個人経営のレコード店というと、音楽ツウ以外はなかなか入りづらい……ということも正直あったり。でも、RECORD STATIONはツウをも唸らせるラインアップでありながら、お店の雰囲気は見た目からカジュアル。だから、外国人観光客の方々がお店の外観に惹きつけられてふらりと入ってくることも多いのだとか。そして、レコードばかりではなく、Tシャツやグッズ、さらには近年若い世代の間で流行しているカセットテープも豊富に扱っているのもうれしい。
ところで――。「最初に買ったレコードって何ですか?」と店長。すかさずケイスケさんが「ジュリーの『危険なふたり』! 小学校3年生やったと思う」と即答。「不思議と最初に買ったレコードって覚えていますよね」。どこか音にもふっくらとした温かみのあるレコード。くるくる回る盤を見ながら、昔聴いたあの曲をゆったり聴いてみたくなりました。
  • ▲ ソウル、R&BなどUSブラック・ミュージックに関しては痒い所に手が届く品揃え。

  • ▲ 「これ持ってた!」と言って掘り当てたのは、KISSの『ハードラック・ウーマン』日本版7inch。

  • ▲ 取材中店内で流れていた、Breakwater。AOR寄りのファンクでとにかくクール!

  • ▲ 取材中になんと!ヒューマンビートボックスのパイオニア・AFRAさんが来店。ケイスケさんとは一緒のステージに立ったことのある旧知の仲。

  • ▲ ケイスケさんが迷いに迷って購入したのは、「い・け・な・いルージュマジック」(忌野清志郎+坂本龍一)7inch。

RECORD STATION
住所:〒155-0031東京都世田谷区北沢3-30-1-2F
営業時間:13:00〜20:00
TEL:03-5738-7810
火曜定休

小田急ポイントカードをご提示の方は
お会計より¥300引き

※3,000円以上お買い上げの方の場合のみ。

※2021年12月末日まで

次回(3月31日更新)は、豪徳寺商店街へトリップ!