大阪から上京して
街の人たちのあたたかさに触れた
思い出の地
まず向かったのは、アルバイトをしていたレンタルビデオ屋さん「ドラマ」。駅からすぐの場所にあったということですが・・・残念ながらもう他のお店になっていました。「大阪から出て来て、あまりバンドがうまくいかなくて事務所からも給料がストップして、という中でメンバーそれぞれがアルバイトを始めることになった。その時に僕がお世話になったのが豪徳寺にあったレンタルビデオショップ。面接の時に年下の店長さんが音楽好きで僕のことを知っていてくれて『何やってるんですか!』って驚いて採用してくれた(笑)」とのこと。ちょうどウルフルズの2ndアルバムにして名盤『すっとばす』(1994年)がリリースされた頃の話だ。なんと、ミリオンセールスを達成した次作『バンザイ』(1996年)のレコーディングをやっている時もアルバイトをしていたのだとか。「ようやくバンドが上向いて来てアルバイトを辞めることになって送別会をやってくれたんやけど、僕は昼番が多かったから近所の主婦の人たちと一緒に働いていて。だから年上の主婦の人たちに『バンドがんばってね』って送り出してもらったのをすごく覚えてる。懐かしいな〜(笑)」。
そして通りがかりに発見したのは「満来」。お金がなかった当時のケイスケさんの胃袋を満たしてくれた心強い味方だった。「当時はラーメン一杯150円で、大盛りでも200円だった。このへんに住んでいたバンドマンはみんなお世話になったんじゃないかな」。残念ながら今は閉店してしまったが、お店の外観は残っていた。夢見たバンドマンたちを支えた往時の賑わいが一瞬見えたような気がした。