月1連載 バックナンバー
小田急沿線にある「音楽を感じる」スポットを、ギター片手に日本中を旅して回るウルフルケイスケさんが訪れます。バンドで上京して以来ずっと小田急沿線を愛するウルフルケイスケさんならではの発見と驚きに満ちた、まさに〝MAGICAL CHAIN〟な瞬間を一緒に体験しましょう!
ライター:谷岡正浩 カメラマン:星野洋介

経堂で3回引しを
しているというほどの

経堂LOVERのケイスケさん。

るたびに店内からこえる

音楽きが
になっていたというこちら、

「カフェ マレット」にやってました。

まずは、マスターと地元トークで
がります。

ついつい
長話してしまう
居心地のいい場所
「ずっと前を通るたびに気になってたんですよ」とケイスケさん。
もともと府中でレコード店を営んでいたマスターの平田さんが、経堂でこちらのお店を開店したのは、今から24年前の1996年のことでした。以来、ここ経堂西通りに面した場所でずっと街の変化を見続けて来ました。ということでケイスケさんとマスター、お互いに長く経堂に住んでいる者同士で、地元トークに花が咲きます。まずは、今年7月に閉店した、経堂では有名だったレコード店「ハスキーレコード」の店長・ハスキー中川さん(今年4月に逝去)の思い出話から。
「とにかく話好きな店長でね。行ったらつかまっておしまいだから(笑)。有名な話で、郵便配達の人がつかまって長話されて、なかなか次に配達に行けなかったっていうくらいだから(笑)」(平田さん)。
そして、ケイスケさんは、これまたもう閉店してしまったお好み焼き屋「ぼんち」の思い出を。
「大阪の下町にあるような庶民的なお好み焼き屋さんでね、2003年と2005年に阪神タイガースがリーグ優勝した時は、経堂中の阪神ファンがぼんちに集まって、みんなで『六甲おろし』を歌ってた(笑)」。
ケイスケさんと平田さん、カウンターを挟んで二人のトーク・セッションは続きます。それにしても、なんて居心地のいいお店なんだろう。
紆余曲折を経て
たどり着いた
安住の地・経堂
自分のことを「根無草」と表現するマスターの平田さん。最初は大学卒業後、会社員として社会に出られました。
「たった2年間だったんだけど、どうにもサラリーマンっていうのが肌に合わなくてね。こりゃ無理だと。でも辞めて何ができるわけでもないし、どうしようかなと思っている時に、たまたま勤めていた会社が音楽関係だったっていう縁でレコード屋さんに知り合いがいたから、ここで修行させてほしいって飛び込んだんですよ」。
そして府中で個人経営のレコード店をオープンするわけですが、時代はレコードからCDへと記録メディアが移り変わっていきます。
「アナログの頃は、お客さんが気に入ったレコードを何枚でも持って来て試聴ができたんですよ。それを聴きながら吟味して、で、一枚買っていく。その間にお客さんとあれこれ話したりしてね。そういう時間が良かった。でもCDになって、そういうことができなくなって、急につまんなく感じてしまった」。
それで、何のツテも知り合いもいない経堂で「カフェ マレット」をオープンしました。マレットは、打楽器を演奏する際に用いられるヘッドの付いたバチのこと。
「店名を付けるのに楽器がいいなと思っていたんだけど、なかなかいいのがなくて。ふと思いついたのがマレットでした。タウンページを見てみたら、東京中に同名の名前は一件もなかったので決めました」。
また来ようと思える、
ちょうどいいグルーヴ
こだわりがあるようで、ない。ないようで、ある。それが「カフェ マレット」の居心地の良さの秘密です。
ケイスケさんが注文したのは、ハムたまごサンド(400円)。シンプルで素朴な味わいに、「そうそう!これを求めていた」と思わず唸ります。実はハンバーガーやサンドで使用しているパンはすべて手作りなのだとか。他にもケーキやアイスクリームも自家製です。しかもどのメニューもリーズナブル!
店内の奥に目を移すと、アップライトピアノとウッドベース、ギターが置いてあります。ライブスペースとしても利用可能で、月に2、3回ほどライブのスケジュールが入っているとのこと。早速ケイスケさん、ギターを手にしてブルーズを奏でます。「音の苦情は来ないんですか?」
「今まで一回もないですね。と言うのも、上に大家さんの事務所があるんですけど、その方は早稲田大学のジャズ研のOBなんですよ」。
納得。音の響きもいいし、奇跡的な場所ですね。
さらにカウンターの奥には、お酒の瓶がずらっと並んでいるのが目につきます。
「うちは自由ですから。あんみつを食べているおばさんの横で、焼酎を呑んでいるおじさんがいるのが普通ですね。昼から」。
そのフリースタイルな感じに、音楽を愛するマインドをビンビン感じてしまいます。
「また絶対来ます!」。
力強く誓ったケイスケさんでした。
  • ▲ 絶品のキーマカレー(S 650円 M 750円 L 850円)ももちろん手作りのオリジナルです!

  • ▲  マスターのお祖父さんやお父さんが使っていた古いカメラがお店の雰囲気にあっています。

  • ▲ 昼呑み、OKです。「これは、いいお店に出会えたな〜(笑)」(ケイスケ)

  • ▲ アップライトピアノは娘さんが使っていたもの。これがよく鳴るんだ。

  • ▲ 絶品のたまごハムサンド。「もう、見たまんまの味。それがうれしい!」(ケイスケ)

  • ▲ かわいいフラッグはマスターの奥さんの手作り。なんだかほっこりしますね。

カフェ マレット
〒151-0064 世田谷区経堂2-16-2 (経堂駅より徒歩5分)
TEL:03-3427-7171
営業時間:11:00 - 21:00
定休日:火曜日

小田急ポイントカードをご提示の方に
自家製クッキー
プレゼント

※数に限りがございます。無くなり次第終了。

次回(11/16)は、千歳船橋へトリップ!