月1連載 バックナンバー
小田急沿線にある「音楽を感じる」スポットを、ギター片手に日本中を旅して回るウルフルケイスケさんが訪れます。バンドで上京して以来ずっと小田急沿線を愛するウルフルケイスケさんならではの発見と驚きに満ちた、まさに〝MAGICAL CHAIN〟な瞬間を一緒に体験しましょう!
ライター:谷岡正浩 カメラマン:星野洋介

前回トリップした経堂のお

千歳船橋にやってました。

目当ては、小劇場 APOC ( アポック ) シアター」です。

存知り、
新型コロナウイルス感染拡大影響

エンターテインメント業界
きな打撃けました。

今回はコロナにもけずに
足元から文化える

さんにリスペクトをめて!

カフェとアートが
お出迎えのスペースには
演劇愛がぎっしり!
特徴的な三角形をしている建物ですぐにわかりました。ここが小劇場「APOCシアター」です。案内をしてくれるのはオーナーの加嶋京子さん。加嶋さんは演劇好きが高じて、役者をされていたご主人と一緒に11年前にこちらをオープンしました。「APOCってどういう意味なんですか?」とケイスケさん。「〝A piece of cake〟の略なんですよ。三角の形がケーキみたいでしょ?」なるほど! そしてさらに・・・。「ケーキって集まったら〝ホール〟になるじゃないですか。それに、a piece of cakeって俗語で〝へっちゃら〟っていう意味があって、すごくいいなと思って名付けました」最高のネーミングですね! 1階はおしゃれなカフェバーになっています。こちらは公演がある時にチケットを購入されたお客さまや出演者、スタッフの方などが利用できるスペースとなっています。そしてここにもこんな演劇愛が詰まっていました。「イギリスではパブシアターっていうのが一般的なんですけど、要するに良い意味で演劇の敷居が低いんですよね。日本では演劇っていうとちょっと難しいイメージで捉えられがちなんですけど、でも歌舞伎座なんかだとお弁当を食べながら観劇できたりするじゃないですか。もともとはそうだったんですよね。そんな感じで、公演の前にお客さま同士でお話ししたり、公演後に役者の方々と交流したり、そういう場所になればいいなと思っています」深く納得のケイスケさんなのでした。ちなみに、カフェのあちこちにあるオブジェは、廃材を利用したアートで、こちらの共同オーナーで加嶋さんのご主人でもあるアーティスト・Shozen Kajimaさんの作品です。昨年はドイツのベルリンで行われた展覧会にも参加したのだとか。素敵です!
プロから結成したての劇団まで
文化の屋台骨を支える
大切な場所
2階に上がれば、そこがホールです。キャパは50名と伺っていたのですが・・・。「めっちゃ広い!」とケイスケさんも思わずびっくり。「天井高があるので広く見えるのだと思います」と猪俣さん。よく見ると、天井と背面に窓があって、換気はバッチリです。そしてステージと観劇スペースの間にはアクリル板が吊ってあります。「できることはとにかくやって、なんとか継続していかないとっていう思いですね」こちらの劇場、プロからアマチュアの方まで幅広く利用されますが、結成したばかりの劇団や社会人劇団の方たちが多いのだとか。まさに文化の屋台骨をこういう場所が支えているんだなっていうのがわかります。ステージ脇の階段を降りると楽屋へつながっています。楽屋にはこれまでここで催されてきたチラシが所狭しと貼られています。「なんか、ライブハウス感があって落ち着くね(笑)」楽屋の扉の脇に気になるチラシが。『APOFES 2021』。こちらは?「毎年やっている一人芝居のイベントで、うちが企画から運営まで行っています。コロナのことがあって、どうしようかなって思ったんですが、やっぱりこれがないと始まらない!と思ってやることにしました」来年の1月16日(土)〜2月7日(日)に開催されます。ご興味のある方は生のエンターテインメントをぜひ!
エンターテインメントの火を
消さないために
実はAPOCシアターさん、コロナの影響で3月から8月までの公演がほとんどキャンセルになってしまいました。
「最初はどうしようかなって思いましたね。でも緊急事態宣言が出された後にすぐ配信の設備を導入して、なんとか利用してもらえるような体制を整えました」
その甲斐あって、少しずつ利用する劇団もお客さまも戻ってきたということです。
「もちろん、まだまだですし、来年以降も厳しい状況は続いていくことには変わりないんですけど、とにかく前に進まないと、という気持ちですね。このコロナによって見えてきた新しい劇場の形も確かにあるので、そこを前向きに捉えてがんばっていきたいと思います」
その姿勢にはケイスケさんも大いに賛同。「後ろ向きに考えてたって仕方がないですもんね。僕はね、密を避けるのではなく、密を取り戻すために今何ができるのかっていう意識でやるようにしているんですよ」
エンターテインメントに携わる人たちの熱い想いがしっかりと伝わってきます。
「やっぱりこういう場所が残っていかないと文化は終わってしまうから」
ケイスケさん、ここ、演劇だけではなくて弾き語りのライブもOKらしいですよ!
いつかまた、いっぱいのお客さまの前で演奏する日が来ることを祈って、その時までお互いにがんばりましょう! そう誓ったケイスケさんでした。
  • ▲ 廃材を利用したアート作品がお出迎え! 独特のリアリティーがあります。

  • ▲ カフェの人気ドリンクメニュー。左から自家製ジンジャーエール(550円)、APOCバナナシェイク(550円)

  • ▲ 今回、ご案内してくれたオーナーの加嶋京子さん。エンタメ愛が止まりません!

  • ▲ カフェの中には、昔の航空機で実際に使用されていたシートが! なんと灰皿まで。時代を感じる。

APOCシアター
〒151-0064 東京都世田谷区桜丘5-47-4
(千歳船橋駅より徒歩3分)
TEL:03-6321-7690
営業時間、定休日は、各公演によります

小田急ポイントカードをご提示の方は
APOCカフェでのご飲食100円引き

※現在ご観劇のお客様のみのご利用となります

※2021年12月末日まで