通りに面した店内は、程よい空間が広がり、壁際のアップライトピアノやジャズメンの写真などが目につきます。けれど、いかにもジャズ喫茶というような敷居の高い感じではなく、明るさと渋さがちょうどいい具合でブレンドされています。
「前にジョルナにあったお店は暗くてみんな近寄り難かったんですよ（笑）」と、冗談まじりに言うのは店長の青柳たみさん。
ジョルナというのは町田に今もあるファッションビル「JORNA MACHIDA」のことで、現在の前はその４階にありました。さらにその前を辿ると、もともとは下北沢に「喫茶NOISE」としてオープンしたのが始まり。そこから数えると実に51年の歴史になります。
ところが、ファッションビルのターゲットが若年層向けになるにつれ、だんだんと経営が厳しくなっていくことに。そこで店主の青柳さんは閉店することを決意します。2019年３月のことです。
ところが――。古くからのお客さんやアルバイトの人たちが中心となってクラウドファンディングを実施したり、ノイズを愛する町田出身のミュージシャンが立ち上がってチャリティーイベントを実施したりしました。そして2020年５月に現在の場所に移ってお店を再開することになるのです。
「前のお店にあったピアノや備品を極力保存しておいて、ノイズの雰囲気を残すようにしています。内装も全部手作りでやっていて、だからまだ全然途中なんです（笑）」
「これからどんなお店になっていくのか楽しみですね」とケイスケさん。