特集・コラム

映画のとびら

2021年11月26日

ボス・ベイビー ファミリー・ミッション|映画のとびら #152

#152
ボス・ベイビー ファミリー・ミッション
2021年12月17日公開
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© 2020 DreamWorks Animation LLC. All Rights
『ボス・ベイビー ファミリー・ミッション』レビュー
今度はボス・レディの出番!

 世界中で大ヒットしたコミカルCGアニメーション第2弾。前作から25年後を舞台に、すっかり大人になった元ボス・ベイビーの弟とその兄が、力を合わせて「新たな敵」と対決する。前作に引き続き、『マダガスカル』(2005-2012)シリーズのトム・マクグラスが監督を担当。

 あれから25年。ボス・ベイビーの兄ティム(声:ジェームズ・マースデン/宮野真守)は今やふたりの娘を抱えるパパ。外に働きに出ている妻キャロル(声:エヴァ・ロンゴリア/坂本真綾)の代わりに家事の一切を引き受ける「主夫」として毎日を忙しく過ごしていた。そんなある日、まだ赤ん坊の次女ティナ(声:エイミー・セダリス/多部未華子)の部屋から怪しげな声を聞きつけたティムは、声の主がティナ自身だと知る。実はティナはベイビー社から派遣されたボス・レディだったのだ。ティナによると、長女タビサ(声:アリアナ・グリーンブラット/芳根京子)の通う学校「どんぐり教育センター」で、校長アームストロング(声:ジェフ・ゴールドブラム/大塚芳忠)が世界中の親を「消滅」させる陰謀を企んでいるという。ティナはティムに弟のテッド(声:アレック・ボールドウィン/ムロツヨシ)の協力を仰ぐことを要請。すっかり疎遠になっていたティムとテッドだったが、スーパー・ミルクによって再び25年前の姿に戻ると、なんとか学校に侵入。ギクシャクしながらも、アームストロングの企みを阻止するために行動を開始する。

 ティムは大人になっても妄想癖は相変わらず。日常の出来事をハラハラドキドキの空間に変えて、映画を最初からジェットコースターのような勢いですっ飛ばしていく。めまぐるしさの点では前作に勝るといってよく、そのせわしいほどの展開が魅力のひとつとなるだろうか。ベイビー社ゆかりのこましゃくれた赤ん坊にしても今回、元ボス・ベイビー&ボス・レディというタッグが生まれて、数にして倍。あちこちで爆発や混乱が巻き起こるアクション場面などは数倍にアップと、続編ならではの「盛る」仕掛けが生きて、終始、にぎやかこの上ない。主な舞台となる「どんぐり教育センター」では、さらに大人顔負けの言動の子どもたちがわんさか登場。もうそこら中、ボス・ベイビーだらけ。新キャラクターとしても、態度の大きいポニー、キッズ忍者などがそろい、見ているだけで爆笑&スリリングだ。

 25年の歳月が過ぎて、表面的には代替わりが進んでいる印象だが、やっていることはほぼ一緒。いがみ合っている兄弟が、ひとつの「陰謀阻止」を通じて、その溝を埋めていくという展開。今回の作品で異なるのは、その作戦を仕掛けたのが彼らの娘/姪だということ。雨降って(作戦でもめて)地固まる(絆が固まる)。まさに、ファミリー・ミッション。娘/姪が取り持つ兄弟の絆の回復に、だれもが心を潤すはずだ。

 この映画は家族の温もりを喚起させる。子どもから大人まで、家族のありがたみを再確認させる。一見、かわいげのないボス・レディのしたたかなもくろみは、ファミリー映画の真髄を見せつけた。

 12月17日(金)全国ロードショー
原題:The Boss Baby: Family Business / 製作年:2021年 / 製作国:アメリカ / 上映時間:107分 / 配給:東宝東和、ギャガ / 監督:トム・マクグラス / 声の出演:ボス・ベイビー:アレック・ボールドウィン(ムロツヨシ)
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『ボス・ベイビー』とドリームワークス・アニメーション

 映画『ボス・ベイビー/ファミリー・ミッション』(2021)は、前作からのストレートな続編になっている。未見の人は鑑賞前に第1作をきちんと予習しておきたいところ。その作品『ボス・ベイビー』(2017)は、マーラ・フレイジーが著した絵本『あかちゃん社長がやってきた』(2010年発表)を映画化したもの。ある日、両親が連れてきた弟、それはスーツ姿で大人顔負けの言葉を話す赤ん坊だった。自ら「ボス・ベイビー」と名乗る彼テッドにベイビー社の存在を知らされた兄ティムは、一致協力して、犬の会社「パピー・コーポレーション」の悪だくみに立ち上がる。ラストでは大人になった兄弟の後ろ姿が登場。続編をにおわせるような赤ちゃんの表情で終わらせているのも印象的。

 『ボス・ベイビー』シリーズの製作元ドリームワークス・アニメーションは、ちょっとひねくれたキャラクターを扱った作品作りで有名。中でも、世界中の童話のキャラクターを一堂に集めて茶化した『シュレック』シリーズ(2001-2010)は、主人公の緑色の怪人シュレック以外、ほとんど斜に構えたキャラクターばかり。ディズニーに対抗して設立された会社ならではのアンチ精神が輝く世界観となっている。

 同社の第1作は『アンツ』(1998)は、ピクサー製作の『バグズ・ライフ』(1998)を仮想的として製作されたもの。キャラクターたちは後の『シュレック』ほど性格がねじれていないが、主人公の声をウディ・アレンに任せているあたり、単なるのんきな虫世界を描こうとしていないことが明白。

 その後の『シャーク・テイル』(2004)や『カンフー・パンダ』(2008)、『長ぐつをはいたネコ』(2011)も、屈折路線の流れにあるといっていい。くせのあるキャラクターたちに一度ハマったら抜け出せなくなったというファンも少なくない。

 もちろん、偏屈な作品ばかりではない。ドリームワークスのトップにしてディズニーの元重役だったジェフリー・カッツェンバーグが対ディズニー意識をあらわにして作った大作『プリンス・オブ・エジプト』(1999)や英アードマン社と組んだ『チキンラン』(2000)、『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』(2005)などは良心的な仕上がりといっていい。中でも『ヒックとドラゴン』(2010)は世界中で信者にも近い熱狂的なファンを生み出した。同作の監督クリス・サンダースもカッツェンバーグと同じくディズニー退社組。『リロ&スティッチ』(2002)を放った名手である。

文/賀来タクト(かく・たくと)
1966年生まれ。文筆家。映画、テレビ、舞台を中心に取材・執筆・編集活動、および音楽公演の企画、講演活動も行う。現在『キネマ旬報』にて映画音楽コラム『映画音楽を聴かない日なんてない』を隔号連載中。

 

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