あらゆる世代の“おもちゃ箱”のような下北沢であり続けたい。

「音楽好きにはライブハウスの街、演劇好きには劇場の街、ファッション好きには古着屋の街、そしてカレー好きにはカレーの街でもある。下北沢は、いろんな人の好きなものがたくさん詰まった、まるでおもちゃ箱のような街なんです」

下北沢とともに長年歩んできた《下北沢商店連合会》の会長、柏さんはそんな言葉で下北沢を表現する。常に最先端の文化が新陳代謝を繰り返すこの街は、確かに独特の面白さに満ち ている。その下北沢を、冬は演劇祭、夏は音楽祭、秋は映画祭、カレーフェスティバルと、柏さんは一年中さまざまなイベントで盛り上げている。打ち合わせに来ていたカレーフェスティバル を企画運営するI LOVE 下北沢の西山さんいわく、今年で8回目になるカレーフェスティバルは、カレー専門店以外でもカレー味のメニューを開発すれば出店可能という自由な仕組みで、お店の個性を活かした下北沢らしいイベントになっており、140以上のお店でカレーを楽しめるという。

「若い人だけでなく、お子さまにも年配の方にも、あらゆる世代の人にとって面白い街でありたいと思っています。“みんなの下北沢”が合言葉です」と柏さんは言う。訪れるたびに新しい文化が生まれる下北沢には、いまここでしか見られない風景がある。この秋は、おなかを空かせて、ぜひカレーをはしごしてみてほしい。