サカナマイスター 宇野達也さん/SAKANA CUISINE RYO
「小田原はサバやアジが有名ですけど、この時期はぜひ、イシダイを食べてほしいです。特に刺身は絶品です」と、水揚げされたばかりの魚をさばきながら話すのは、《SAKANA CUISINE RYO》の宇野さん。
「料理長という堅い響きが苦手なので、サカナマイスターとでも呼んでください(笑)」と照れながら笑う宇野さんだが、高校時代はファッションの道を考えたこともあったとのこと。その後アルバイト先の寿司屋で魚料理の奥深さに惹かれ、寿司職人の道を決意した。新しい流行を求める姿勢は、今の仕事にも通じるという。「洋服と同じで飲食にもトレンドがあるんです。小田原はのんびりしていますから、時々赤坂や神楽坂の飲食店を巡って、最新の流行を研究しています。お皿のデザインや盛り合わせ方、食材の組み合わせ方をヒントに、小田原でしか獲れない新鮮な魚でアレンジして新しいものをつくる。できるだけ同じものはつくらない。何か驚きを届けたい。常にチャレンジしているので、それを楽しみにしてくれる常連さんに『お前に会いに来たよ、今日は何出してくれるの?』と言われるのが最高にうれしいです」
毎日仕入れる魚がちがうから、メニューも毎日ちがう。だから一度来た方は、また来たくなってしまう。旬の魚と宇野さんのアイデアの掛け算は、これからも多くの人を惹きつけていくことだろう。
1/小田原の魚でつくったお造り。
2/SAKANA CUISINERYOの店内(1階)。
3/早朝に小田原魚市場で魚を選ぶ宇野さん。アイデアの掛け算はもうはじまっている。
4/宇野さんが20年愛用している包丁。毎日研ぐためどんどん小さくなっているという。
写真/平野太呂
文/野澤淳
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