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HOKUOパンができるまで vol.10

揚げパン編 Part2は、仕上げの現場にお邪魔しました。パンが完成する最終工程は、とても繊細! いったいどうやって技術を習得するのか? 松延チーフにお話をうかがいました。

 

松延さんは東京工場きってのプロフェッショナルだと伺いました。

いえいえ、そんな(笑)。

今年で何年目になるんですか?

28年目になります。

大ベテランですね! そんな松延さんに、今日はクロックドーナツとチキンカレーの仕上げについて教えていただきます。

はい。よろしくおねがいします。

クロックドーナツは、まずはどういった作業から始めるんですか?

クリームを乗せるために、真ん中に切れ目を入れるところからですね。これは専用の機械を使って行います。

ポイントはどこにありますか?

切れ込みの深さの調整ですね。

全部同じようにはいきませんか?

パンによって微妙に大きさや形は異なるんですよ。それはその日の湿度などの外的要因によっても異なります。

例えば深く切りすぎた場合、どうなっちゃうんですか?

パンが開きすぎて、チョコレートを付けるときにクリームが落ちてしまいます。

あー、なるほど。で、切れ込みが浅いと……。

クリームの乗る量が減ってしまいます。

繊細ですね〜。

やっぱり仕上げの仕事は見映えをどれだけ良くするかが大切ですし、細かいところにこだわらないと、お客さまに見抜かれてしまいますよね。

クリームにはどんなこだわりが?

大事なのは、固さの調整です。柔らかすぎると溶けた感じになって形がきれいに出ないんですよね。もちろん固すぎたら食感の悪さにつながりますから。

クリームを絞る作業には技術が必要になるかと思いますが、コツはあるんですか?

それはチョコ付けも一緒ですか?

そうですね。クリームを乗せた面を逆さまにしてチョコレートを付けるので、感覚的な慣れが重要になってきます。

 

 

 

松延さんは教える立場でもいらっしゃると思うのですが、どういうふうに指導されるんですか?

まずは、私がきちんとした仕事をするということですね。それを見てもらう。じつは私が入ったばかりの頃、クリームの絞りがとても上手な先輩がいらっしゃったんです。その方のようにきれいな形に絞りたいという憧れが自分を成長させてくれたんですよね。

で、今は松延さんがその先輩のような良き見本になっているということですね。

そうだといいんですけど(笑)。

他に、人に技術を教える点で大切にしていらっしゃることはありますか?

違うことは違うとはっきり言うことです。一方で、良いものには良いと言うことで、基準を明確に持ってもらうことが大切ですね。それってやっぱりマニュアルではできないことなんです。自分の経験と感覚でようやく体得するものなので。

いやあ、まさに職人の世界ですね。そしてチキンカレーですが、これは揚げ物作業が終わった段階でほぼ終わっていると思うのですが、仕上げとしては何を?

真ん中にパセリを乗せるという仕事があります。

はいはい。

特別な技術がいるものではないんですけど、たとえばここでパセリの乗せる位置が真ん中からずれていたら、それだけで商品としては弾かれてしまうんです。だから仕上げの仕事全般に言えることなんですけど、お客さまにもっとも近い位置にいるということを意識しないといけないと思っています。そうしないと仕込みから成形、焼成、あるいは揚げと、つないできたバトンがそこで途切れることになってしまいますから。

失礼しました! 正直、パセリ乗っけるくらいだったら自分でもできるなって思っちゃいました(汗)。

ぜんぜんできますよ(笑)。ただ、そこにパン作りに携わった人の気持ちを込めないとお客さまに失礼ですから。

パン作りだけでなく、いろんなことに通用するお話ですね。ほんと、勉強させていただきました。ありがとうございます!

こちらこそ、ありがとうございました。

 

 

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