今年で11回目を迎える「りんご音楽祭」は、長野県松本市にあるアルプス公園を会場に、じつに150組以上のアーティストが出演する野外フェスだ。主催者の地元愛に貫かれた運営方針は、たとえば「りんご」「そば」「おやき」「わさび」「きのこ」といった信州の名産品を冠したステージ名にも表れている。同フェスの特色は何と言ってもアーティストとオーディエンスの距離の近さだ。複数あるステージは巨大なものではなく、たとえばフジロックやサマソニに慣れた目で見れば小さく映ってしまうかもしれないが、ライフサイズで音楽を体感できる親近感がうれしい。一部被災地在住の方、15歳以下、60歳以上の方は入場無料というところにも、単なるフェスを超えた文化事業としての主催者の心意気を感じる。
ラインナップは、メジャーからアンダーグラウンドまでを網羅した日本のポップ・ミュージックシーンの縮図とも言えるもので、UA、曽我部恵一、CHAIをはじめ、GOMA、Nabowa、THREE1989、カネコアヤノ、Tempalay、Have a nice dayなど「りんご音楽祭」ではおなじみの面々から、雨のパレード、SANABAGUN.、ミツメ、Rickie-Gなどの初出演勢。また、韻シスト、田我流、GAGLE、KID FRESINO、Shing02、ゆるふわギャング、Awichなどのヒップホップ勢の充実は見逃せない。そして初出場組が強力だ。2017年のグラミー賞にノミネートされた日本人アーティストとして話題となったstarRo、次世代ヒップホップ集団として注目を集めるYENTOWNの最年少ラッパー・kZmなどがすでに発表されている。その場限りのセッションなど、「りんご音楽祭」でしか見られない企画もあったりと、音楽を身近に感じる２日間になること間違いなしだ。東京からのアクセスも良いので松本観光を兼ねて家族で行ってみるのも良い思い出になりそう。
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