阿蘇山噴火の風評被害撲滅と地域活性を目的に、2015年、泉谷しげるが発起人となって有志と立ち上げたフェス。今年は初めての試みとして、熊本を飛び出し、北九州市での開催となった。しかしこれは、たんにパッケージとして「阿蘇ロックフェスティバル」を北九州市で開催する、ということではもちろんない。2016年４月の熊本地震以降、未だインフラ整備など全面復旧とはいかない現状に鑑み、九州全体を盛り上げることで熊本のことをもっと全国の人たちに知ってもらおうという、まさに阿蘇ロック的な志に基づいた決定なのだ。しかも、その志のままフェスを開催してほしいという北九州市民の声があって実現したという。
音楽で空腹は満たせないし、寒さや暑さも凌げない。けれど、多くの人と連帯し、同じ思いを共有するのに音楽以上のものはほかにない。思えば、発起人の泉谷しげるは、2001年のアフガニスタン侵攻に抗議して都内でゲリラライブを行ったり、東日本大震災の折にはすぐさま被災者救援募金活動を展開するなど、音楽の力を誰よりも信じて自身の活動を行ってきた。そんな泉谷と、それに賛同する仲間たちによる「阿蘇ロックフェスティバル」。心を震わせる１日が待っている。
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