「立てば芍薬　座れば牡丹　歩く姿は百合の花」なんて言葉、耳にしたことがある方もいますよね。牡丹は枝に横向きに花をつけ、百合は風になびくようにしなやか。一方芍薬はすらりとまっすぐに伸びる茎の先に花を咲かせます。そんなことから、昔の人は芍薬を「美しい女性の立ち姿」に例えたそう。また、一説によると立って見るのが一番美しい鑑賞方法だということからこの言葉が生まれたとも言われています。
芍薬は咲いた時に美しいだけでなく、小さな蕾から想像もつかないくらいの大きさの花を咲かせるエネルギーに満ちた花。硬い蕾が、少しずつほころんでゆき、満開になって散りゆくまで。その全てが美しく、いまこの瞬間だけのもの。春から初夏へと移ろう季節の間で、最後の瞬間まで元気をもらえる花です。