まちのプロフェッショナル OP PERSONVol.31

フラワーアーティスト 前田有紀さん

街のどこに行ってもお花があふれている―
そんな日が来ることを夢見ています
フラワーアーティスト 前田有紀まえだゆきさん

前田有紀さん
種々の花を手に取り、ブーケをアレンジメントする前田さん。
1月のオススメの花を伺うと「早春の花がいち早く出回る時期なので、お花を選ぶのにすごくいい時期です。香りのいいスイセンやチューリップ、ラナンキュラスなどがオススメです」とのこと。また、「人とお花のタッチポイントを増やすために」始めた「gui」(ヤドリギの意)の移動販売は、繁忙期には関西方面まで足を延ばしたとのこと。現在はコロナ禍で活動を制限しているが、代わりにインスタライブで生産者側の声を届けたり、花の直送販売も企画したりしている。

社会が変わるくらい、お花の魅力を日本中の人に届けたい

 小雨模様のとある午後。ロケ地となった花屋に、その人は満面の笑みと明るい声で現れた。まるで、そこだけ陽が差したように華やぐ。この人自身が花のようだ。

 「日々、生命力あふれる花にふれているからでしょうか。花に携わる人に元気な人は多いんですよ。私も花屋を始めてから体調不良になったことはほとんどありません(笑)!」

 フラワーアーティスト・前田有紀さんの誕生は2013年、テレビ局のアナウンサー職を辞して、イギリスへ半年間、留学したことに端を発する。テレビモニターの中できれいなメイクをする生活から一転、汗と土にまみれる生活を送った。

 「すっぴんの顔で。以前とのギャップに吹き出しました(笑)。でも、今の方が自分らしいなって思えたんです。お花にかかわる仕事を一生続けようと、そのときに決心しました」

 帰国後、3年間、花屋で店員として働いた。

 「お花を手にしたお客さまがすごく笑顔になったりする。そういう温度が伝わってきてやりがいを感じました。そんな実感は前職ではなかなか見つけられなかったものです」

 2018年5月、仲間とともに起業。社名の「Sudeley(スードリー)」は、英国留学時に働いていた城の名に由来する。同年秋にフラワーブランド「gui(グイ)」を立ち上げた。花の移動販売もそのブランド活動のひとつ。

 「日本中の人にお花の魅力を伝えたい。それこそ、社会が変わるくらいに。せめて出合うきっかけをつくりたいんです。私が部屋に飾った一輪の花で救われたように」

 撮影で用済みになった花を再利用してアクセサリーも制作するという。前田有紀という人は花の役割を一過性にしない。無駄にしない。花の力を知っている。信じている。

 「おばあちゃんになったときに、街のどこに行っても花があふれているような暮らしが当たり前になっている。そんな日が来たらいいな、見たいなって思っています」

 やること、やりたいことがまだまだ山ほどある。

 「一日が足りないです。一生あっても足りないくらい!」

 二児の母という顔も持つ「花の人」は、これからも元気に夢を咲かせていく。

< 写真/星野洋介 文/賀来タクト >

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前田有紀さんが、季節を代表する花とその楽しみ方をご紹介しています。気軽に手に入るお花もちょっとした工夫で、毎日を素敵に彩ります。

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