まちのプロフェッショナル OP PERSONVol.35

邊見晃広さん

カウンター越しに見る
お客さまの笑顔がうれしい
店長 邊見晃広へんみあきひろさん
旭鮨総本店新百合ヶ丘館

邊見晃広さん
カウンターのお客さまににぎり寿司を出す邊見さん
  1. 1. 2. 店内は中間色の照明を基調に落ち着いた雰囲気。以前はもっと洋食店風の内装だったが、それも2016年に一新した。大型のテーブル席をなくす一方、4~5人が座れるテーブル席がズラリと並ぶ。
  2. 3. 店舗のおすすめメニュー「特鮨(とくすし)」(3,200円)。にぎり12個、巻物、玉子、お椀がつく。天然本マグロを使用。食材へのこだわりは強く、「お米は宮城のササニシキ。これ、育てるのが大変なんです。旭鮨ではお米もかんぴょうもわさびも、契約農家さんにお願いしています」(邊見さん)とのこと。セットメニューで一番人気の「潮騒(しおさい)」(3,000円)はランチタイムでは2,500円でさらにおトク!

季節感のある食材でもっとお客さまに喜んでいただきたい

 去る2月11日に店長に就任。それまでの1年ほどは料理長という肩書きで、新百合ヶ丘館を盛り立ててきた。

 「本当は(寿司だけ)にぎっている方が楽です。でも、今は(店長業務もあるので)にぎっていればいいやでは通らない。そういう緊張感を大切にして身を引き締めています」

 軽妙な口調の邊見さんは18歳で個人店での修業を始めた根っからの寿司職人。この道30年以上の大ベテランだ。

 「いえいえ、永遠の28歳です。寡黙な28歳(笑)」

 新百合ヶ丘館自体は2016年にリニューアルしている。以前はレストランと寿司店を合体させたようなスタイルのお店だった。ワインクーラーまで備えていたという。

 「フランス料理にフグ、それに高級なお寿司まで出てくるというお店でした。大きな丸テーブルにクロスまで敷かれていて、もう“ルネッサ~ンス!”みたいな(笑)。冠婚葬祭の団体客も多かったですね」

 現在は寿司専用のカウンター席も設置されているが、肉料理のメニューやテーブル席が消えたわけではない。ファミリー層やちょっとした集まりの会食の場にちょうどいい塩梅。地域密着型で、リピーター客が圧倒的に多い。

 「個人店とは(お客さまの)数が違います。絶対的に“笑顔”が多いんです。カウンターのお客さまはさらに身近な存在。“また来ちゃった”と笑って来店されたらうれしいですねえ」

 そもそも、寿司の世界に入った背景に関しても、高校時代、寿司屋でアルバイトをした際の経験が大きい。

 「カウンター越しにメチャクチャいい笑顔が見られたんです。作っている側としてすごくうれしかったし、楽しかった」

 おいしいものをおいしい状態で、というこだわりは強い。

 「カウンターで出した寿司が置かれたままになっているのは寂しいですね。置いたらすぐに食べてほしい!これからは季節感のある食材を使ってもっと喜ばせたいですね」

 長年培われた職人気質は抜けない。いや、職人という土台がしっかりあるからこそ、店長職も明るく務まるのだろう。

 「楽しく働かないとお客さまにも失礼。それに、しゃべらないと僕、顔が怖いと言われますから(笑)」

 寡黙な店長などやはりいなかった。

< 写真/星野洋介 文/賀来タクト >

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旭鮨総本店 新百合ヶ丘本館

[住所]神奈川県川崎市麻生区万福寺1-15-10 (小田急線新百合ヶ丘駅北口徒歩3分)
[TEL]044-951-3334 [営業時間][平日]11:30~15:00 17:00~22:00[土日祝]11:30~21:30

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