副支配人 グリーンキーパー 大塚伸郎(おおつかのぶお)さん/小田急藤沢ゴルフクラブ
眩いばかりに青々とした芝に、就職以来33年間、人生を費やしている人がいる。〈小田急藤沢ゴルフクラブ〉の副支配人であり、グリーンキーパーの大塚伸郎さんは「ゴルフ場で一番大切なのは芝だから」という入社当時に先輩から伝えられた言葉を、今もしっかりと心に留めて毎日を過ごしている。
「芝を刈る頻度を上げて密度を高めれば、回復力が高まるんです。そうすれば芝が削られてしまった跡のディボットも、すぐに修復されますから。歩いていただければ分かりますが、フカフカとして気持ちがいいはずです。ただし、ボールが沈んでしまうほど柔らかくはない。その歩いた時の硬さまでコントロールしています」
一定のコンディションを保つべく、芝を刈り、薬を入れ、水や砂をまく。グリーンには栄養補給のためにごく少量のアミノ酸を散布することさえあるという。ラフは55mm、フェアウェイは14mmに刈りそろえてある。さらにはホール間の松がどれほど伸び、桜の木がどれほど葉を落としているのか、すべての状況が頭に入っている。だから「休みの日も、気になってしょうがないんですよ」と、大塚さんは笑う。
「街中からゴルフ場に一歩入ったら、『こんなにも違う世界に来たのか』と驚いていただきたい。そのために、均整のとれた芝と隅々まで緑のある環境を作り上げているんです」
1/グリーンの水分量を測る機械で、水まきのタイミングを知る。2/グリーンの芝生の根は非常に密度が高い。健康な証。
3/刈り取った芝生は、風で飛ばして一ヶ所に集めていく。4/コンベンション・ルームも充実。ホールが見渡せる。
写真/平野太呂
文/村岡俊也
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