声楽講師 川鍋碧里(かわなべみどり)さん/昭和音楽大学附属音楽・バレエ教室
昭和音楽大学附属の音楽・バレエ教室で、講師をしている川鍋碧里さん。専門は声楽。4歳からシニアの方までと、幅広い生徒に「歌う喜び」を伝えている。クラシックのイメージが強い声楽だが、歌謡曲から健康のために発声練習をしたいからなど、生徒たちはさまざまな理由で川鍋さんの元に通っている。
「音楽を聴きたいっていう方よりも、本当は自分で歌いたいっていう方のほうが多いのかもしれません。コンサートを観に行って『あの曲を歌いたい』って、通って来る方も多いんです。特に大人の生徒さんには一般的なカリキュラムではなく、興味を持たれたやりたいことを優先させます。ですので、みなさんとても活き活きとしています。大人のほうがハジけてますよ(笑)」
年に一度行われる発表会には、レベルを問わずすべての生徒が参加できるため、その舞台を目標にがんばる生徒も多いという。
「オペラを歌われる方の中には、毎年ドレスを手作りしている方がいたり、1年間その舞台のために練習している方もいらっしゃいます。心からすごいなと思いますね。もちろん舞台に限らず、みなさん一生懸命。まったく楽譜が読めなかった方が、歌謡曲の本を一冊丸々歌えるようになることもあります。歌うことへのモチベーションがとても高い。歌うってきっと根源的な欲求なんですよね」
声楽の教室に通ううち、カラオケのためだったのが、オペラに目覚めることもある。あるいは、音楽そのものへの興味が深まり、他の楽器を習い始める生徒もいる。川鍋さんの仕事は、水先案内人のようなもの。導く先は、単に上手に歌うことではなく、人生が少しでも豊かになること。川鍋さんは、魅せられた音楽の力を多くの人に届ける仕事をしている。
1/レッスンは昭和音楽大学の施設を使って行われる。2/生徒からのリクエストに応えて歌いたい曲などを楽譜に起こすこともある。
3/子どもたちには、カードを使ったレッスンも。4/このホールで歌うことを1年間の目標とする生徒たちも多いという。
撮影協力/昭和音楽大学附属音楽・バレエ教室
写真/平野太呂
文/村岡俊也
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