まちのプロフェッショナル OP PERSONVol.47

繁平光伯さん

もっと狛江のことを知っていただいて
もっと狛江のことを好きになっていただきたい
K.Base Coffee Store 繁平光伯しげひらみつのり さん

繁平光伯さん
コーヒーを用意している繁平光伯さん。
  1. 1. 店内の棚には「浅煎り」「中煎り」「深煎り」など、焙煎された各種コーヒー豆が販売用に並んでいる。
  2. 2. お店の看板商品「ブリュワーコーヒー(日替り)」(Sサイズ:330円、Mサイズ:380円)。
  3. 3. 地域特産の「狛江市クラフトビール3社・飲み比べセット」(1,200円)も要注目だ。
    店舗は、駅構内からだけでなく、駅の外からも入店できる構造。テイクアウトはもちろん、数人で利用できるテーブル席も設置されている。「狛江お菓子ギフト」「こまえポテト」など地域特有の商品も各種販売中。お店のロゴマークの「K」は縦線を小田急線、右側の「く」の字の部分を道路になぞらえており、その「接点」=狛江駅の店舗に人が集まってくる、との意味が込められている。

コーヒーを片手に街のこと、世界のことに思いをはせる

 4月8日にオープン。「K.Base」の名を冠したコーヒー店は、これが3軒目。駅構内に初めて店舗を構えた。「狛江駅は街の真ん中にある印象。なかなか出店できない場所です。いろいろな方に喜んでいただけてうれしい」
 店名にある「K」とは狛江の頭文字に由来する。繁平さん自身が狛江出身。2016年より町づくりの会社を立ち上げ、地元の仲間と共に事業ができる環境を構想し続けていた。「狛江という街に何があるのか、何ができるのか。街の特徴となるものをいろいろつくっていきたいと考えていました」
 その過程で出合ったのが、知り合いの珈琲焙煎卸売店が50年間、使用していたという焙煎機。老舗の名機を使うことで狛江にひとつの特徴、きっかけが生まれるかもしれない。それがコーヒー店を始めるきっかけともなった。「コーヒーの味は焙煎機次第。企業としてもこの焙煎機ならほかと差別化ができる。焙煎方法はイチから教わりました」
 購入した焙煎機は2台。どちらも1号店に設置されており、そこで焙煎したものを2号店、3号店に卸している。ただし、この3号店はコーヒーを売るだけの店舗ではない。狛江市内から集めた数々の「ご当地商品」も販売している。「ちょっとしたアンテナショップですね。こんなにいろんなお店があるんですよ、と。今まで市内の商品が一カ所に集まる場所はありませんでした。それが駅でかないました」
 コーヒー店を呼び水に、街に関心を持ってもらう。ゆくゆくは、市内で事業を始める人を増やしていきたいとのこと。「ローカルエコノミーみたいなものをつくっていきたいですね。お店が地域コミュニティーの交差点になればうれしい」
 外部へ向けての「町おこし」というより、内側からの活性化という意識が強い。地域の人に「もっと狛江のことを知っていただいて、もっとこの街を好きになっていただきたい」
 店舗のウェブサイトには、コーヒーカップから木が生え、世界へ向けて伸びているイラストが掲載されている。「think,with your coffee.」というコピーとともに。「狛江は日本で2番目に面積が小さい市。小さい街だからこそできることがある。常に新参者という意識でやっています。どこまでやれるのか。これからもずっとチャレンジです」
 深煎りのコーヒーが肝煎りのお店を明日に羽ばたかせる。

< 写真/星野洋介 文/賀来タクト >

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K.Base Coffee Store(ケーベース コーヒーストア)

[住所]東京都狛江市東和泉1-17-1
狛江駅構内店舗
[営業時間]平日7:00~21:30
土・日・祝日8:00~20:30

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