添乗員 黒田(くろだ)あかねさん/小田急トラベル
「例えば泊まりがけのツアーなら、夜ご一緒してお酒を飲んだりすることもあるんです(笑)。自分も旅を楽しんで、できるだけ“良い時間”をお客さまと一緒に過ごすことを心がけています」
入社7年目となる小田急トラベルの黒田あかねさんは、2年間のカウンター業務を経て、添乗員として日本全国を旅する日々を過ごしている。毎日、数十名のツアー参加者に対してきめ細やかに案内することの大変さは、想像に難くない。
「添乗員に求めるものも人それぞれなんです。もしも少しでも心配なことがありそうと感じたら、積極的にこちらから声をかけるようにしています。話しかけて仲良くなって、心の距離を近くする。そうすると、お客さまも笑顔になってくれるんです」
成田山新勝寺への初詣ツアーの際には参加者分の護摩札を用意し、イチゴ狩りツアーでは十分な量のイチゴがあるかどうか農家の方と打ち合わせをする。参加者に楽しんでもらうために何をすべきなのか、今までのツアーで訪れた場所で気づいたことはすべてノートに書きつけているという。「好きじゃなかったら、できない仕事かもしれない」と笑うのは、旅の続くハードな日々の中に大きな喜びがあるから。旅そのものの魅力と同時に、参加者のツアーを印象深いものにする楽しさに、黒田さんは強く惹きつけられている。「お客さまの思い出に残ることができる仕事ですから」と微笑んだ。旅は、誰と行くかによって景色が変わる。旅慣れた彼女は、そう考えているのだろう。
1/バスの中で自己紹介をする黒田さん。ガイドのいないツアーでは、旅先の解説をすることも。2/成田山新勝寺で、参加者分の護摩札を先回りして受け取っておく。
3/黒田さんがメモを書き溜めたノート。4/新しいツアーの企画なども行っている。
撮影協力/成田山新勝寺・神奈中観光
写真/平野太呂
文/村岡俊也
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