午後5時。3枚の白いのれんが一斉にお店のウィンドウを覆っていく。のれんに踊るのは「おでん」「酒」「肴」の文字。「カフェ・ニコラ」が夜の顔に変貌する瞬間である。「去年の11月1日から居酒屋営業を始めました。もう常連さんもできて、ずいぶん面倒を見ていただいています」
夜の店名は「出汁酒場ニコラ」。そもそも居酒屋経営を視野に入れてのカフェ営業だったという。今年28歳の店長・見上さんは居酒屋開業に合わせて9月に大阪から座間に来た。「以前に2年、勤めていた別のお店も居酒屋。完全に居酒屋要員です。梅田では何をせずともお客さまが来てくれましたが、座間では本気でがんばらないと相手にしてもらえない。そのかわり、みなさん、味方になるとすごく心強いんです」
看板料理は、関西出汁のおでん。「丁寧に出汁をとっていますから、そのうまみを感じていただければ幸いです。お客さまの中には、持ち帰ることができるように、鍋やタッパーを持参される方もいますね」
カフェと居酒屋、両方に来店する客も現れているという。「お客さまがどちらも利用してくれているのがサイコーです。どちらかだけで終わっていたらダメだと思いますね」今流行りの「二刀流」がここにもあった。「大谷翔平さんは同世代。たまんないスね。刺激を受けます。僕なんかと比較してはいけないんですけど(笑)」
おしゃべりが大好き。お客さまにはどんどん話しかける。「飲食業って、いちばん近い距離で、人を元気にできる業種じゃないですか。お客さまが喜んでもらえるなら、僕は何でもします。居酒屋は接客が大事。接客がよければ料理もおいしくなるし、ご自宅まで“楽しい”を持ち帰ってもらえます」
とはいえ、ごり押しの関西気質などは感じられない。出汁と同じく、いい塩梅の薄味の関西風味が人格に透けて見える。「母が秋田出身で、実家では標準語でした。そういうところなのかな。関西の人にも“マイルドな関西人”みたいに言われます。実は、ただの目立ちたがり屋なんですけどね(笑)」
人懐っこい笑顔と軽口が新たな常連客をはぐくんでいく。「座間に来てから毎日が楽しい。いつも新しいことが起きている気がします。お店をさらに充実させて、座間の街も盛り上げていきたいです!」
< 写真/星野洋介 文/賀来タクト >
[住所]神奈川県座間市入谷東3-60-5 小田急マルシェ座間2(小田急線座間駅東口すぐ)
[TEL]046-259-6487
[営業時間]カフェ11:00~17:00(L.O.16:30) 居酒屋17:00~22:30(L.O.22:00)/不定休
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