まちのプロフェッショナル OP PERSONVol.44

竹下紘平さん

無添加にこだわり抜いて
お客さまに安心と喜びを届けたい
パン以上、ケーキ未満。マチダベッカリー 店長 竹下紘平たけしたこうへいさん

竹下紘平さん
お客さまご購入の生食パンを紙袋に入れて渡す竹下さん。
  1. 1.   店舗のショーウィンドウには目にするだけでおいしさが伝わる商品のサンプルが並ぶ。
  2. 2.3.  テレビのバラエティー番組でも紹介された看板商品の生食パン(999円)と、レーズン生食パン(999円)。
  3. パン生地の原材料は、小麦(北海道産の小麦ゆめちから)、天然酵母、牛乳、バター、グラニュー糖、生イースト、塩、それにコンデンスミルクが少々。安定剤は一切なし。消費期限は3日だが、買ったその日に生で食べるのがベスト。その唯一無二のもちもち感は一度食べたら病みつきになるほど。町田の店舗では毎日、11時、13時30分、15時30分、18時の4回に分けて限定販売している。

常識を知らないからこそ開発することができたオリジナルの生食パン

 15時30分。町田駅からすぐの路地に差し掛かると、快活な呼び込みが響き渡った。「生食パンはあと5本、レーズン生食パンは最後の2本になっています!」。吸い込まれるように通行人が声のもとへと集まっていく。「マチダベッカリーは“生食パン専門店”として、弊社が最初にオープンした店舗です。商品はもちろん、買い物すること自体が楽しく感じられるような接客を心がけています」
 笑顔で語る店長の竹下さんは16年前に広告会社に入社。看板の製作部門で働いていたが、2016年に会社がベーカリー事業を立ち上げると、手先の器用さが買われ、ベーカリーの商品開発を担当。現在は街中で接客にいそしむ日々だ。「事業の発表を聞いたときは社員全員が“え?”となりました(笑)。でも、僕は新しいことがもともと好き。お客さまと直接やりとりができる楽しさもどんどん大きくなりました」
 社員食堂での菓子パン、惣菜パン作りが事業の出発点。そこから「食の安全・安心」という発想が大きくなり、完全無添加にこだわった研究を続けること3年。多変量解析という統計学も応用して、現在の生食パンの開発にたどりついた。「職人さんが直感と経験で作る業界の常識からすると、かなり異質でしょうね。パン作りの素人が自分たちの満足を追求した結果です。知らなかったからこそできたともいえます」
 焼きたてを店舗から10分ほどの距離にある本店から搬入。そのときに製造できた分だけを店舗で販売している。店舗の販売活動では感性工学なる学問も応用。広告業における分析と計算の配慮が隅々まで生かされていて驚かされる。「基本のマニュアルはありますが、単調な接客に終わらないように、日々、試行錯誤を重ねています。すべてお客さまにパンをおいしく安全に召し上がっていただくためです」
 パンは日常食で、どこか工業製品に近いところがある。一方、ケーキには特別な手作り感が漂う。パンでもない、でもケーキまでいかない。そんな独特の世界観が「パン以上、ケーキ未満。」というユニークな店名に込められている。「味には自信があります。本当においしいものを提供し、お客さまに笑顔になっていただきたいですから」
 ゆくゆくは全国展開も考えたいとのこと。「日本一を目指したいですね」と、新たな微笑みで言葉を結んだ。

< 写真/星野洋介 文/賀来タクト >

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パン以上、ケーキ未満。 マチダベッカリー

[住所]東京都町田市原町田6-10-19 1F(小田急線町田駅すぐ)
[焼き上がり時間]①11:00~ ②13:30~ ③15:30~ ④18:00~
※売り切れ次第、終了となります。

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